顧客や市場を思考のスタートとすることは、デザインするという営みです。対して、商品やコンセプトから思考をスタートすることは、アートとなるように思われます。
何故ならば、前者は相手に必要とされるための思考であり、後者は自分が必要とする思考であるからです。マーケティングを顧客とのコミュニケーションと定義し、マーケティングの成功を顧客の魅了と定義するならば、マーケティングにおいて必要な思考は、明らかにデザインという営みということになります。
一見、コンセプトや商品からスタートしているような行為でも、それが成功しているならば、それは顧客を魅了できているからということであり、デザインとして成立しているということです。すなわち、世の中に受け入れられているアートは、実はデザインとして成立し、成功しているということであるわけです。