
出典:日本政府観光局(JNTO)
ファッション業界でも、訪日外客数の増加を意識したお店やサービスの動きが見受けられます。そのような訪日外客数が増加傾向にあり、また、2020年には東京オリンピックがあるので、2020年までは海外からの旅行者向けのサービスが過熱するのではないでしょうか。
そのような加熱が予測されるので、国内のコンテンツをどのようにデザインして、どのような側面を、訪日される方へ見せていくと面白いのか、ということを考えました。
1.モノが満たされてからの、次のスタイルの提案

経済発展が進んで、物質的には困ることが少なくなった日本。先進国として、モノは満たされましたが、モノを手に入れるためのお金に縛られて、精神的な満足には、まだ課題があるように思います。
それは、モノに既に満たされているのに、まだモノを追っているからだと思います。ここでいうモノというのは、物質的であるということです。循環としては、モノを手に入れるためにお金を集める、そのお金でモノを手に入れる、でも既にモノには満たされているのでハッピーにはなれないというように。
そのように、モノを追ってきた従来ですが、最近ではサービスや遊びにおいても、体験が重視されてきていて、ライフスタイルに反映されてきている傾向が見られます。それは、モノとお金でハッピーになるための生活に、時代としての限界がきていて、むしろ今ハッピーであるためには、体験へ重きがシフトチェンジしてきたということなのだと思います。
そのように先進国ならではの、経験値から芽生えた新しい価値観やライフスタイルの提案をするということが、新しいことを提案するということに繋がるように思います。
2.日本の今を走る、モノ、コトのキュレーション

従来からの伝統で、いわゆる日本ならではの誰もが知っていることを、再提案しても面白くないと思うので、今の日本で熱いモノやコトのキュレーションが必要なのではないかと思います。
それは、やっぱりフェイスブックやツイッターとかユーチューブがあるので、日本の従来は知ることもできるし、知られている場合も多いのではないかと考えるからです。そうであるならば、今の最前線を紹介することが、訪日したことの価値に繋がるのではないかと考えます。
例えば、地方が注目されているということや、シェアハウス、田舎暮らしのことなど。まだ、日本ならではになっていないけれど、今日本で起きていることですよね。
3.先進国が行き詰る課題のソリューションを提案

項目1とリンクしますが、物質では満足できない状態へのソリューションも、議題の一つですし、高齢化社会に対してどのように取り組んでいるのかということも先進国として、日本としての、ならではの課題です。全てに答えは出ていないと思いますが、答えが出ている部分と、これから解決していくことを含めて、先進国としての、経験した課題と、解決策を提示していけば、それに関心を持ってくれるのではないでしょうか。
そのような事実をデザインしてみせることで、面白いコンテンツになるように思います。
4.それぞれが色々やるんじゃなくて、すみわけの全体最適

地域同士、街同士で同じようなことを発信すると、外国人旅行者が割れるし、日本全体で考えるとコンテンツとしての多様性がなくなると思うわけです。ですので、地域それぞれの良いところを発信することで、東京が楽しい、大阪が楽しい、地方が楽しいというすみ分けができるように思います。
外国人旅行者を各地が奪い合うのではなくて、各地どこへ訪れても「あれを楽しむならあちらへ」というような案内ができるような体制が望ましいように思います。
5.相手国の良いところを見出して伝える

外国人旅行者が日本に来て、もしくはウェブで日本のコンテンツ見た時に、自分の国のいい所を褒められていたら嬉しいですよね。日本にあるものを発信するという発想は多いですが、相手国の良いところをデザインしてコンテンツに活かすことができれば、絶対相手は嬉しいと思うんですよね。
旅行者が帰国して、「日本に行って来たら、なんか褒められたよ」というように宣伝してくれるはずです。マーケティングの基本は口コミ。客が客を連れてきてくれます。
6.急きょ作られたものではなくて、これまで出来上がってきたうごめきを紹介する

外国人の旅行者が増えると聞くと、それように新たに何かを用意しようと動きがちですが、そのように単発で動いたものって、中身がペラペラで、結果的にちゃちいものになってしまう傾向があります。
それよりも効果的なのは、これまでの積み重ねで、文化の中で出来上がってきたものを、デザインして紹介するということ。きっちり素材を活かしてあげた方が、説得力も、突破力もあります。ビジネスライクに外国人旅行者向け用として作られたもので、感動させることは難しいのではないかと思います。
そういうものって、奥ゆきがあるのかどうか、結構相手に伝わるものです。
7.オリジナル性ではなく寛容性を魅せる

オリジナルを追求するのもよしですが、オリジナルって世界中に溢れているので、むしろこんな時代だからこそ寛容性をみせて、外国人旅行者を受け入れていくことが効果的なんじゃないかと思います。
寛容をどのように取り入れるかですが、おもてなしの心はもちろん、具体的な利用面で便利にするということです。言葉の面で便利にする、施設利用で便利にする、道案内で便利にする、使いやすいウェブサイトにするというように。徹底的な利便性は外国人旅行者の良い思い出の一つになるはずです。
海外旅行を含めて、旅先で親切にされた経験ってすごく残りませんか。
8.量ではなく、質でもなく、interestingの重視

これから、経済力を見せるということに新しさはないように思います。例えばただ大きな建物を建てるとか。もちろん大きいことが面白さに繋がれば意味があると思うのですが。かといって、極めてこだわったクオリティを売りにするというのも感動にはつながらないように感じます。
感動してもらえるのは、量に逃げず、質に逃げずの、interestingを創り出すことではないでしょうか。interesting=伝統×デジタル、intersting=田舎×大都市のような"コラボレーション"も一つのアプローチ方法になると思います。
9.日本人にも知られていないことの掘り起し

日本人にも知られていないということは、外国人旅行者も知らないはずです。日本でもあまり知られていないという珍しさにフォーカスして、それが価値あるものならきっと喜んでくれるはずです。
よく日本人以上に日本のことを知っている外国の方っているじゃないですか。そのような日本好きの方にもってこいです。
10.独占せずに共存の姿勢で迎える

項目4とリンクしますが、国内様々な施設やサービスがある中で、奪い合い、独占などになると、損するのは結果的に外国人旅行者です。旅行者を独占することを考えるよりも、自分がどのような旅行者にマッチするのかというマッチングに重きを置いて準備するのが賢いのではないでしょうか。
例えば外国人旅行者は、台湾、韓国、中国の国籍の人が多いですが、その中でも、それぞれに趣向があって、それぞれにマッチする施設、地域、サービスがあるように思うからです。

出典:日本政府観光局(JNTO)
おわりに

観光庁の訪日外国人消費動向調査で、「平成26年4-6月期報告書」によると、滞在期間は、調査回答者全体の平均泊数が10.5泊となっています。
そのような訪日外国人に関するデータがたくさん存在しています。おそらく、2020年まで、外国人旅行者が増加していくことは推測できます。個人、組織問わず、様々なおもてなしの準備ができるのではないでしょうか。



