青空

家庭菜園といっても、様々な場所ですることができます。

市民農園という区画ごとに畑を借りることができる所があって、広さやレンタル料金は様々ですが私の借りているところは縦6m×横4mの1区画24m2で、年払いなのですが月額に直すと約2,500円くらいです。

そのような市民農園もありますが、近所にないという場合は、ベランダや庭のスペースを使って育てることになります。今日、ご紹介する家庭菜園の薦めに関しては、特に前者の市民農園をお薦めしたいと思います。私も家庭菜園に魅せられた1人です。魅せられた理由、そして薦めたい理由をご紹介したいと思います。

では、早速見ていきましょう。


1.誰でも簡単に野菜がつくれる

収穫した野菜

これまでに育てた野菜は、春は水菜、ほうれん草、大根、はつか大根、小カブ、人参、じゃがいも、苺、夏は茄子、きゅうり、トマト、ミニトマト、大葉、バジル、オクラ、小玉スイカ、つるなしインゲン、枝豆、ピーマン、ししとう、かぼちゃ、つるむらさき、白ウリ、里芋、サツマイモ、秋はジャガイモ、ほうれん草、大根、人参、レタス、冬はブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、白菜、玉ねぎなどです。

だいたいが、食卓に上がるメジャーな野菜達ですが、これら全部2年もかからずに育てる技術を身に着けることができます。育て方の情報は、ネット、本、人づてでいくらでも簡単に入手することができます。

経験上、育てる上で一番押さえたいのは、種をまくタイミングと、苗を植えるタイミングです。野菜は種から苗になりますが、種の段階で畑に植えてもよし、苗の段階で畑に植えてもよしと、自分で選びます。私は、その市民農園で売り出される苗はそこで買って、売り出されない苗や種はホームセンターなどで買うようにしています。

さて、話を戻しますと、その種の蒔き時、特に気温が関係しているのですが、その蒔き時さえ押さえれば、おおよそOKです。その蒔き時が大きくずれてしまうと芽がでませんので、野菜作りをスタートすることができません。その蒔き時、植え時のタイミングさえ押さえれば、あとはプラスアルファとして、肥料を何にするのか、水をどれくらいあげるのか、雑草をどう処理するのか、というようなプラスアルファのスキルを磨いていけば良いというだけです。

野菜作りに関する情報で、ネットや本にいろいろ書かれていますが、実は野菜作りは極めてシンプルに行うことができて、簡単に行うことができます。


2.少しの時間と少しのお金で野菜がつくれる

お金

あと、気になるのは、忙しいライフスタイルの中で、畑を管理できるのかということ。種や苗の植え付けの時が、主に年3回あります。春と、夏と、秋です。春野菜、夏野菜があって、秋に、秋野菜と冬野菜の両方を仕込むというイメージです。

主には、その年3回の仕込み時が忙しく、土を耕して、肥料を混ぜて、種や苗を植えてという作業があります。それ以外の時は、除草や水やり、間引き(注1)などのメンテナンスを行っています。

(注1)例えば人参3本が、狭いところに植わっているとして、その内の1本を抜くという作業。残りの2本へ栄養がいくようにして、大きく成長させます。

週の平均で行くと、夏場の水やりがピークの時は、週3、4回で、一回につき3時間くらいの作業です。内容は、水やりなどのメンテナンスと、収穫が主です。また、それ以外の時は、先述の年3回の仕込みがあるときでも、週2回で、一回の作業時間が3時間くらいあれば十分です。

ですので、週休2日の場合は、その休みの午前中を利用したり、夏場の水やりは出勤前の早朝を利用したりというような感じです。また、後述しますが、家庭菜園自体は、ビジネスへ好影響を与えていると思うので、早朝の水やりは苦になりません。まだ眠っている虫、野菜にしたたる水滴、起きてきた鳥の鳴き声など、むしろ早朝の
心地よさを感じることができます。

また、お金の面ですが、毎月畑のレンタル料が数千円と、年3回の種や苗代が主なコストで、最低限必要な道具としては、土を耕す平ぐわ、苗植えや収穫時のスコップ、水やりのジョーロ、野菜を支える支柱、支柱と野菜をつなげる麻ひも、収穫用のハサミを最初に用意しておきます。道具は、どれも近所のホームセンターで購入することができます。大切に長く使うことが継続してコストを抑えるコツです。

経験上、それらのコストと収穫できた野菜を市場価格に直した時の合計金額を比べると、年間では収穫した野菜の金額が上回ります。つまり、家庭菜園の良いところってお金だけではないのですが、お金の面でも得をするということです。さらに市場価格が高価な有機栽培(注2)を行えば、数値的なリターンは大きくなるということです。

しかも、有機栽培は誰でも簡単にできます。

(注2)化学肥料や農薬を使わず、動植物質の肥料を使って、野菜や土の能力を活かす栽培法。


3.キャンプやフェスのような非日常のアウトドア体験が毎日の日常に

キャンプ

キャンプや山登り、フェスなど、アウトドア体験が遊びやファッションにおいてもトレンドです。特に友人の話を聞くと、忙しいビジネスマンほど、そういう非日常の体験に、癒しを求めているような傾向を感じます。

そのような非日常の遊びに比べると、市民農園でやる家庭菜園は、場所によっては山に囲まれて空をさえぎるビルもなく、虫や鳥の鳴き声が聞こえて、キャンプに来たような感覚があります。つまり、そこは非日常。

しかも、家庭菜園の場合は、その非日常が毎日続きます。野菜作りがライフスタイルに組み込まれて、週に何度もその畑を訪れるからです。つまり、非日常の体験から、日常へ降り戻される反動はなくて、ゆるやかにライフスタイルへ溶け込んでくれるというような感覚。

畑作業は、洋服や帽子などのオシャレも、キャンプやフェスなんかのアイテムと同じものでOKです。足元はカジュアルなスニーカーでOK。もちろん、ネイルにハイヒールなんてスタイルでもOKです。運動として激しすぎないので、自分らしいスタイルで楽しめるというのも、家庭菜園の良いところです。

キャンプや山登りなどアウトドアに魅せられている人は、一度家庭菜園をやってみると絶対良いと思います。


4.新鮮で美味しい野菜を食べれる

かぶりついたトマト

夏場なんかはトマトがあるので、良くその場で洗って食べます。あとは、間引いた細くて、色の薄い人参をその場でかじってみたり。市場に出回らない成長段階のものを食べたりできるわけです。

採れたての野菜を食べるのは、言葉で表すと「グラデーションの味わい」です。デジタルでは表現できないアナログな味わい。甘味と苦みの間の味って、なかなか表現も難しいですが、味わいとしては確かに存在している旨みです。

音楽でいうと、普段CDを聞いていて、アナログで曲を聴いた時のあの感動のような。周りでは、野菜嫌いの人も食べれたり、野菜を食べなかった子供が野菜を食べるようになったという実例を聞くことがあります。


5.ミニマムなライフスタイルをつくる上で土台となる

人参の芽

これまでお金がたくさんないと生活することはできないと考えられてきた世の中ですが、実はお金がそんなにかからないライフスタイルを構築することで、自分が好きなことを仕事にしたり、仕事でなくても、そこに多くの時間を使ったりできるということが言われ始めています。

車を買って、家を建ててという、ライフスタイルが普通でしたが、実は車が無くても、家を建てなくても、豊かに生活していけるよねという一つの考え方です。そのようなミニマムなライフスタイルを求める人にとって、家庭菜園は最適です。

家庭菜園は先述したように、金銭面、時間的にもコストパフォーマンスに優れていて、食べ物を育てているということが、同時に遊びにもなっているので、非常に効率的な営みです。お金がかからず楽しめて、かつ新鮮な野菜を食べて、健康的に暮らせるという点でも優れていて、ライフスタイルを心地よい、シンプルなものに変えてくれます。


6.野菜を自給できるという安心感

水菜や小カブ

お肉も食べたいし、魚も食べたいし。決して家庭菜園の野菜だけで生活できるわけではないのですが、なんか野菜だけは食うに困らないという、なんとなくの安心感があります。しかも、超うまい野菜という。


7.心が安らぐ、デジタルや都会からの解放感

青空

デジタルデトックスとか、田舎暮らしのブームとか。デジタルや都会との上手な付き合い方は、しばらくライフスタイルにおけるテーマとなっていますよね。

そのような軸から見ても家庭菜園は優れており、土を触ったり、空を眺めたり、植物や虫を見ていたり、鳥の鳴き声を聞いていると、季節の移り変わりを感じたり、気持ちが穏やかになったりするわけです。

気が付くと、目の前の生き物に、「〜ちゃん」とちゃんづけで呼んだりしてしまいます。バッタちゃんとか、人参ちゃんとか、という感じで。

あと、オフィスでは感じれない、太陽にあたって、風を感じてというところも気持ちがよいです。家庭菜園や土いじりの癒し効果はたくさんデータがあるのかもしれませんが、感覚値として十分体感できますよ。


8.ビジネスセンスが磨かれる

ビジネスシーン

ビジネスとどう関係があるのかということですが、家庭菜園をやると、野菜が成長する過程を色々と見ることができます。

例えば、芽が出たばかりの時には、周りを除草してあげるサポートが必要だとか、虫と植物の共存関係だとか、野菜の育ちは環境に起因しているだとか、点で見るのではなくて、全体から見ないとトラブルの原因がつかめないとか、肥料を上げ過ぎたり、手をかけ過ぎた野菜は弱いとか、色々な物事の本質が見えてくるわけです。

それが様々なビジネスシーンに当てはまっているということに気が付きます。そして、その本質はビジネスへの思考を助けてくれるはずです。


9.様々な世代やご近所とのコミュニケーションのネタになる

握手

市民農園ではあらゆる世代が家庭菜園を楽しんでいます。仕事をしながらの30代や、多趣味な70代、子育て中の主婦まで。野菜作りの話を中心に、スポーツから政治経済まで様々な世間話が飛び交います。

口数が多い人から少ない人まで、それぞれの区画でそれぞれのペースでの野菜づくりがメインなので、しゃべりたい人がしゃべるという心地良い環境です。

野菜作りの話は、農園を出ても話のネタになって、世代問わずに野菜作りに興味を持ってくれることが多いです。また、余った野菜をご近所へおすそ分けすると、またそこでコミュニケーションが生まれます。

家庭菜園が、世代を超えたコミュニケーションの機会を作ってくれるということです。


10.世代を超えたコミュニティ力がある

茄子

前項とリンクしますが、市民農園での家庭菜園には、野菜作りを楽しむ緩いコミュニティが出来上がっています。野菜作りを目的に、自然と皆が集まって、というように。市民農園によってはイベントをやるところもあって、芋煮会や、収穫祭、クリーンアップなど、自然と他者と繋がれる機会が豊富です。

そのようなイベントで、各世代に合わせたものや、世代問わずに交流できるものなど、色々なイベントが開催されれば、家庭菜園という遊びを中心に、様々な交流が広がっていく可能性も秘めています。


おわりに

里芋

家庭菜園の良いところを厳選して紹介しました。これらって、今の時代が抱える様々な課題のソリューションになっていると思いませんか?

もう既にライフスタイルの一部になっている方は、理解してくれたかと思います。まだの方は、少しでも興味を持ってくれたなら嬉しいです。

これからまだまだ、家庭菜園を追求していこうと思いますので、ご期待ください。