経済をいかに成長させるか、すなわち経済の量についての話はもう終わり。量を求めるのは、子供の頃の考え方で、それはすなわち成長期の考え方です。


先進国は、経済の質を深める方向へシフトチェンジ

今、先進国で求められるのは、経済の質をいかに深めるのかということ。なぜなら、量を追い求めて、経済を成長させるということは、右肩上がりの需要が必要になるのですが、その右肩上がりの需要を期待することは、少子高齢化の中で非現実であるからです。

その非現実に対して、現実化しようとすると、需要を確保するためにグローバルに視野を広げようということが出てくるのですが、発展途上国が量を求めている状況とパイの取り合いになってしまいます。

つまり、量を求めてきて成長し、成熟期に入った先進国は、経済の質を深める方向へシフトチェンジする必要があります。

経済の質の深め方としては、一つはできるだけお金がいらないライフスタイルを構築するということ。もう一つは、お金があるところから、無いところへ上手に移動させるということ。エシカルファッションもその一つです。

そのような営みが経済の質を深めるということになるのではないかと思われます。

できるだけお金がいらないライフスタイルの構築は、例えば家賃や物価が低い地方へ移住するということや、家庭菜園で畑をやって食費を下げるということなどがあります。

生活コストを抑えて、お金を生むのではなく、食べ物を直接的につくるというやり方です。例えば、野菜を自ら作ることで、 流通で本来発生する何段階もの人手を削ることができます。

つまり、低コストな家庭菜園で野菜をつくることができれば、土から口までの流通経費を全てカットすることができるということです。


充経済の動きが活発化へ

このような経済成長というよりも経済の質を深めるという「充経済」の実践は、様々に既に動き出していると考えています。

例えば、ブロガーのイケダハヤト氏は東京から高知へ移住し、低コストで充実したライフスタイルを紹介しています。「イケハヤ書店」というブログタイトルが、「まだ東京で消耗しているの?」に変更した程の入れ込みようです。

まだ東京で消耗しているの?

そのような事例や、また、先述したエシカルファッションも経済の質を深める実践の一つです。

従来のレッドオーシャンで、広告費をかけてパイを取り合うという、量重視の発想から、どのような経済が求められるのかということを疑い、ひとひねりした充経済の方向での動きへと活発化していくように感じています。

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