商品やアプリ、書評など、様々なサービスにあるレビュー。その論評は、商品やサービス自体の価値を、ユーザーや読者は評価しようとしますが、その裏でもう一つの要因が働いています。
親しい相手には良くしてあげたい
それは、そのサービスの発信者とユーザーとの距離感です。サービスの発信者とは、お店や作者や著者のことです。
ユーザーはそのサービス自体の価値をレビューする中で、裏ではそのサービス提供者との距離感が関係していて、その距離感が親密であるほどに評価が良い方向へ向かいます。
ユーザーは、距離感を意識的に評価へ反映することもありますが、どちらかといえば無意識的に評価に反映されることが多いように思います。
その原理は、親しい相手には良くしてあげたい、親しい相手の悪いことは言いにくいという、 気持ちの性質に基づきます。どのようなサービスでも良いので、一度悪い評価をするユーザーと、サービスの発信者の距離感を見てみてください。距離感が遠い、すなわち親密でない関係性が見つかるはずです。
同じサービスなのに距離感で評価が変わる
距離感が近いということは、通じ合っているということで、逆に、距離感が遠いということは通じ合っていないということです。通じ合っていないということは、そのサービスが良くないと断じることに躊躇は生まれにくいと考えられます。
それは、芸能人が、面識のない人から叩かれるような現象に似ています。
よって、サービス発信者のレビューとの付き合い方としては、その面識のないユーザーの評価に反省するよりも、ユーザーとの距離感を縮めることに励むことが、良い評価につながるということになります。
サービス自体への評価が"意識した評価"とすると、その裏で評価に影響している距離感は"無意識の評価"です。そして、サービス自体の価値が同じ評価だとしても、実はサービス発信者とユーザーの距離感が評価に影響しているので、そのレビューには誤差が生まれるということになります。
おわりに
評判が良いからと言ってそのサービスが優れているということではないし、逆に評判が悪いからと言って、そのサービスが劣っているということでもないという見方ができます。
買い物や、ビジネスに、そのような視点を加えるとレビューの見方が広がります。