関西の農業の一角であるとは思いますが、関西の濃い農業が、ぎっしり詰まった内容であるという印象です。関西在住の方はもちろん、関西以外に在住されている方も農業へ関心を持ち始めた方に、参考になる内容であるように思います。

具体的に、参考になる点としては、農業の経営に関する実際の事例がたくさん掲載されているという点です。一つは、収益に関して例えば10アールの畑でネギを栽培している農家がどれだけ儲かっているのかという事例がありました。

また、マーケティングに関しては、ネット販売で工夫している事例や、みかんをそのまま売るのではなく、加工食品で 販売し、成功している事例などがあり、いかに美味しい野菜を栽培するのかというアプローチがあるとすれば、対していかに販売するのか、いかにマーケティングするのかということの重要性を本書では特に実感することができたように思います。

そのいかに販売するのかというテーマは、農業従事者の高齢化、休耕地の増加、TPPによる関税が低くなり安い海外の農産物が入ってくることなど、農業を取り巻く問題に繋がっているように思います。

つまり、いかに販売するのか、すなわちいかに収益を得るのかということは、農業問題のソリューション及び、農業を継続していく上で、非常に重要なことであるからです。そのなかで重要な位置にあるマーケティングの事例を多く知れたというのは非常に有意義な収穫であったと思われます。