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自然農というものを聞いたことも、見たこともありませんでした。今年に入り、ファーミングを始めて、野菜と土の関係や、野菜が育つ理由や環境との関係性、様々な生物の生態系のことなどを、調べては、考えてを続けていました。やがて知識が自然農に行き着き、自然農のことを調べた時、その考え方や営みは、ビジネスにおけるマーケティングやマネジメント、またクリエイティブに通じる本質を内包していることに気がつきました。
例えば、どこかに力をかければ、どこかに必ず影響があるということ。また、デザインやライフスタイルのトレンドは引き算に向かっていて、その状態はライフスタイルや時勢から自然に生まれてきているということ。どちらも自然農の知識、思考に通ずるものがあります。
ファーミングを初めて、しばらくした時、虫はほんとうに駆除するべきなのだろうか?この雑草は本当に抜くべきなのだろうか?という疑問が一つ一つ湧いてきました。その自問自答の繰り返しにより、自力で自然農に近づいていったような印象を持っています。もしくは、環境に導かれたということかもしれません。
後に、書籍なら、体系的なことを網羅できるのではないかと思い、見つけたのが本書です。本書は辻信一氏が自然農家の川口由一氏にインタビューする形で話を進めていきます。
私はビジネスやクリエイティブに自然農の考え方は活かすことができ、マーケットを面白く、かつナチュラルにできる未来の考え方を持していると思っています。本書でも似たように、自然農というのは農法という枠に収まらない、生き方、営みの本質がそこには存在しているという様なことが述べられています。
本書を読んだ時、これまでに考え、思っていたことが、そのまま整理され、巧みな文章で表現されていた、という驚きが最初の印象です。今後も自然農に関する書籍を読み、まったく別の見地にある書籍も読み、多角的な視野で自然農を、営み、知識ともに深めていきたいと考えています。
本書との出会い方として、ある程度自然農に対する自分自身の見識を持った上で読むということが良かったように思います。なぜならば、内容が崇高なものに感じるので、読んで信じて終わるということになるのが好ましくないように感じたからです。自身で考え、見識を持った上で、読んだ時、それは有意義な確認作業となったように感じています。そして、それは自然農を深めていく、次のステップへ確信を持って進めるような気がしています。