-今回のお話を依頼させて頂いた時、「少しでもファッションに興味を持つ方が増えれば」ということをおっしゃっていましたが、普段そのようなことを意識して活動されているのですか?
もちろん考えていますね。既存のアパレル市場ではなく、機会があれば外のジャンルで少しでもファッションに興味を持つ方が増えたらと、可能性を日々考えています。
-tiit 2013-2014 autumn&winter "Garden"のテーマについて教えて頂けますか?
イギリスの映画監督であるテリー・ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド」からインスパイアされました。ドラッグ中毒の両親二人を持つ幼い少女ローズが主人公です。
二人が亡くなった後も人気のない田舎で純真無垢に生活していく彼女のイマジネーションの世界が描き出したように、原っぱが突然海に変わったり、不思議な住人が登場したりと、現実と非現実の間を往来する描写。とても過酷で重い少女の状況をどこか毒のあるファンタジーな世界観で描いた作品です。
ローズ・イン・タイドランド
情報が溢れ返って自分自身の頭で考えることを止めがちなこの世の中で、自分で考えたり想像力を働かせることができるこの少女のような女性像が魅力的だと思い、そのイメージをコレクションに落とし込みました。
イマジネーションによって現実・非現実のボーダーをぼかしていく女性は、繊細だけど、たくましく、魅力を感じます。それは、この時代に必要な美しさだと思っています。
今回ニュージーランドのFrench For Rabbits/Brooke Singerとコラボレーションして制作した楽曲Gardenをショー開始前からエンドレスに流し続けることで、会場の扉を開けたところからファンタジックな世界に入れるような演出にしました。
その空間にいることがごく自然なことであり、心地よく夢のような時間を感じてもらいたかった。だからこのコレクションはとにかく空気感で魅せることにこだわり、女性像をファンタジックに描きました。
-映画の少女のイメージを落とし込んだという、ファンタジックなコレクションの反面、そこに至るまでの岩田さんのロジカルなアプローチが説得力を生んでいるのだろうなと思いました。 このようなブランド背景について知れば知るだけ引き込まれそうですが、ホームページに掲載していないのは、クリエイションを語ることに抵抗があるからですか?
90年代からのファッションはそのようなロジカルも含めたファッションがとても流行っていました。いわゆる”コンセプチャルファッション””アーティスティックファッション”といったところでしょうか。 ただ2000年代を越えてそのようなものとは、また違ったファッションの形が生まれているように思います。 もっと感覚的で、余白を楽しんでもらいながらコネクトするファッションです。
だから、隠してる訳でも抵抗が有る訳でもないですが、聞かれたら答えるくらいがいいのかなと思っています。僕は頭の中で感覚的なイメージ(空気感のようなもの)を作ってから、その空気感を頭に漂わせながら服をデザインするので、言葉にするのは後からです。現に海外のエディターは僕のインタビューの言葉や記事がわからないので、思ったままを書いています。それはそれで今の時代っぽくて良いのかなと思っています。
ファッションは縦に構築する役割から横に広げていくという存在へと、変化していっていると思っています。そういう意味では、生産行程の話でも川上、川下と呼ぶようなシステム自体、だんだん時代とずれていっている気がします。
-活動において、ファッションに興味を持つ方が増えればとお考えになっているとのことですが、 tiitの服をデザインする際は、世の中やマーケットの"受け"や"評価”を意識されますか?
デザインを褒めてもらったり、好きって言ってもらえるのは、もちろんめちゃくちゃ嬉しいですし、気になりますね。僕は天才でも何でもなく、いちデザイナーなので。
-服のデザインを通して、マーケットや世の中へ与えたい影響のようなものはございますか?
特にありません。掲げたいような強烈な思想も特にありませんね。 ファッションというコミュニケーションを通すことでそれぞれの関係性を潤すこと、各々の人生がほんの少しでも心豊かになれば、それで十分です。 ファッションが作るのは感情のきっかけです。他人の人生にきっかけを与える仕事が出来ているだけで、とても幸せなことだと思っています。
tiit 2013-2014 autumn&winter "Garden"



image:tiit



image:tiit
-ファッションを通してコミュニケーションをされていますが、服のデザイン以外の取り組みの予定や計画がありましたら教えてください。
木下育美さんとHEARTMADEというプロジェクトを10月にローンチします。
HEARTMADEとは...
フェイスブックページへ
CAMPFIREへ
<ここから、HEARTMADEフェイスブックページより引用>
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「手渡すように届けたい、世界に一つだけあなただけのオーダーメイドニットを」という想いから生まれたHEARTMADEは、おばあちゃん達の手編みの製品を商品化し、全国の皆さんの手に届ける日本初の高齢者による手作りカスタムメイド専門サービスです。
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<ここまで、HEARTMADEフェイスブックページより引用>
また、滝澤がアパレル代理店企業の新しいサービスCREATORS CROSETというストリートファッション系のECサイトをプロデュースします。モデルやブロガーなどファッションアイコンの女の子たちがコンシェルジュ(セレクター)となるサイトです。このプロジェクトの先に海外へのバイイングなど様々なチャンスを獲得する道筋も用意された成長型プロジェクトです。(11月頃ローンチ予定)
あとはSecori Galleryの宮浦氏と新しいプロジェクトを仕込んだり、アーティストさんの衣装プロデュースを進行中です。
-クラウドファンディングやエシカル、付加価値のあるECサイトなど、新しい可能性への視野が広がっているように思います。 どのように活動していれば、そのような面白い渦中に居れるのでしょうか?
常に範囲を決めないで好奇心をもつことでしょうか。 ファッションの世界に限らず常に色々な人、モノに興味をもちます。 時代がどう動いてるか考える材料にもなります。
それと人のつながりが大きいです。 本当にちょっとしたきっかけから繋がってることが多いですね。結果的に見ればですけど。 あと目上の人含めどんな相手にも自分の考えやアイデアをしっかり話すことは心がけています。 考えを全否定されたり言い過ぎて怒られることもありますけど(笑) でもだいたいの人はしっかり聞いてくれますし、興味をもってくれます。
僕がこの世界で見てる、感じてることはこんな風ですよみたいな。思考の自己紹介のようなものです。
-tiitと岩田さんの展望を教えてください。
とにかくまずは軸を大切にしながらしっかりとモノづくりしていきたいですね。あとは楽しい人と楽しいことをどんどんしていきたいので声かけて下さい(笑) これからも環境と時代のめまぐるしい変化を楽しんでいきたいです。

tiit(ティート)
「日常に描く夢」をコンセプトにファッションブランド「tiit」を展開。 その他、クリエイティブディレクションやプランニングなどを手掛けるデザインプロジェクトです。
滝澤裕史と岩田翔を中心に活動し、ファッションだけに留まらず様々な分野でデザインとコミュニケーシ ョンの新たな可能性を提案していきます。
(岩田翔-TAROHORIUCHI を経てMIKIOSAKABE へ入社、デザインアシスタントとして7シーズン経験を 積み独立。他社ブランドへのデザイン提供も行う。滝澤裕史-セレクトショップBUCKBASE のディレクタ ーを経てタートルストーンへ入社、自社ブランドOKIRAKU にて経験を積み独立。
http://www.tiit-tokyo.com
<collections>
2012-13 autumn&winter "night story"
2013 spring&summer ”intellectual flowers”
2013-14 autumn&winter "Garden"



