規模や効率がマーケットでの競争において重要とされてきましたが、それが前提となり独自の世界観の構築が差別化において重要となった今、それに伴いデザインの重要性が高まっていると言われています。

デザインの定義は、本質を抽出して、情報整理しコミュニケーションの共感をつくる営みと表現することができるかもしれません。例えばビジュアルデザインにおいて先のことを体現するために、色や形や文字などの要素を整理する必要があります。その整理とは、要素を足し算し加えていくことではなく、引き算し除いていくことです。不要なものを除き、必要なもので構成するということ。

デザインはすなわち引き算であると定義出来るほどに、そのことは重要な視点であるように感じます。思考順序として、何かをデザインしようとした時点で要素がカテゴライズされ、その集まった要素を、いかに除き、伝える上で必要なものだけに削るのかということが求められます。

その引き算という作業は、たくさん伝えたい、良いものを作りたいという、プラスの気持ちや欲に反する客観的かつ冷静な視点が求められる点において、高度なスキルであるように思います。しかし、その引き算を使いこなすことができれば、そのアウトプットは明快なものとなり、時間が生まれ、コミュニケーションは円滑になり、収益が生れるように思います。

例えば信号機が、もし5色だったとすれば、これ程に普及していなかったことは明白です。