結果と目的を区別して認識しておくということが、マーケティングや投資などにおける行動原理として求められます。結果とは例えば、自分側への収穫物のこと。つまりそれは、売上、利益、株価、報酬、称賛など、そのような事柄です。
一方、目的は、顧客の感動、価値の提供、良い事柄の評価や応援、手助け、世の中のためになるであろう行動など、相手側の収穫物のことです。そして、行動においては、結果を目的として据えないように気をつける必要があります。なぜならば、結果は目的を成し得た時の結果であるからです。また、結果が「状態」であるならば、目的は「行動」と紐づけることができます。それはすなわち、行動により状態が成立するということに他なりません。
しかし、企業活動含め、多くの場合、結果を行動指標として、つまり目的として据えていることがほとんどです。それはすなわち、自分側の収穫物の量を行動の指標としているということになります。本来、据えられるべき指標は、相手側の収穫物の量であるように思います。
しかしながら、相手側の収穫物、すなわち顧客の感動やどれだけ世の中の役に立ったのかということを明確化するのはなかなか困難です。 現状は、売上を短期で見るのではなく、中期で見ることによって、売上を相手側の収穫物の数値として認識するということが、良く採用されている手段であるように思います。
また、仮に相手側の収穫物を数値化できたとしても、油断をすると、瞬く間にその数値は結果として、すなわち自分側の収穫物と化してしまいます。
さて、以上のように、結果と目的を区別し正しく認識しておくということが大切であるわけですが、厳密に見た時、本当に必要な視点は、目的を見定めることができるということです。それは、結果と目的を区別できているということであり、行動に価値があるということを知っているということに他なりません。