ファッションというカテゴリーはすごく可能性が開かれていているように思います。感性や感覚を売る商売だから、他のジャンルとの掛け合わせや方向性で常に進化していくことができます。古い言葉になりますが、ブランディングが上手なブランドは服ではないことに夢中になったとしても上手な表現ができるのではないかと思います。

今、見た目の心地良さだけで、顧客は満足できなくなってきている傾向があります。それは例えば、ブランドの世の中の必要性を反映させた思想であったり、具体的なところでは、エシカルファッションであったりと。

そのように心の心地良さを捉える事ができるならば、服を超えた、問題定義やソリューションにおいても力を発揮することができるのではないかと思うわけです。

例えば、私が考えるファッションの力は、かわいさやかっこよさという価値を、必要としている事柄と掛け合わせてあげるというものです。具体的には、農業×ファッションという掛け合わせを考えています。農業には一つ、人手不足、若手不足という課題があります。それは、事実、大変なことや難しさがあるからなのだと思いますが、農業へのイメージを内容含めてスタイリッシュなものとして変革することができれば、とっつきの部分において力となるように思います。逆に、農業がスタイリッシュではないイメージがあるならば、それだけファッションとの掛け算は相反するものとして最大化するように思います。

そして、マーケットで起きているように見た目の心地良さだけではない、心の心地良さが評価されるという点において、農業は可能性のあるコンテンツであるようにも思います。農業がスタイリッシュであるという事実を根付かせることができれば、これほど魅力のあるコンテンツはないように思います。

さて、ファッションとの掛け合わせとして、具体的なところで農業をあげましたが、その他にも工業、文化、アート、科学、医療、宇宙など様々なところで掛け算を体現し、ファッション力を調和させることができるのではないかと思われます。また、技術が行き着いた産業など、ファッション力によってイノベーションを起こすことができるように思います。