グランフロント大阪がいよいよ26日からオープンします。プレ招待を行っているようで、周辺は新しいことがはじまる前のざわつきのような空気が感じられます。さて、小売激戦区としての本格幕開けの前に、梅田の各商業施設の売り場を歩きました。

まずは、西梅田のブリーゼブリーゼ。阪急うめだ本店やJR大阪周辺の中心地から離れており、グランフロント大阪がオープンするとますます集客が難しくなるように思います。しかし、離れていないお店も大変であることは同じで、ブリーゼブリーゼは離れていて、静かな場所にあることを活かした、独特の尖った世界観の構築が求められるように思います。24日からスタートしたうめぐるのバス停にもなっており、魅力的なコンテンツをつくることができれば、集客は問題ないように思いますが、今以上にいかに、足を運んでもらえる強い個性を出せるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

続いて向かったのは、ルクア。オープン以来、売上は好調のようです。売り場を歩いた印象は人気店が分かりやすくシンプルに整理されているということです。ピンポイントに買い物目的の場合は、探しやすく、利用しやすいように思います。しかし、今後阪急百貨店やグランフロント大阪のように、世界観を持ち、新しいコンテンツを打ち出していくお店が増えてきている状況で、ルクアとしての色が求められるように思います。なぜならば、今後、顧客にとって、お店が集合しているだけではなく、集合している意味が求められるからです。

続いて向かったのは、JR大阪三越伊勢丹。売上が良くないという現状があり、グランフロント大阪がオープンすれば状況はより不安です。しかし、重要なのはどこを目指すのか、誰に愛されるのかということを深く考える必要があるのではないでしょうか。グランフロント大阪や阪急うめだ本店にはない魅力を再構築し、住み分けることが求められます。それは品なのか、派手さではない、味わい深さなのかは分かりませんが、三越伊勢丹でないといけない理由が何か存在しているはずです。

さて、続いて向かったのは阪急うめだ本店。ショーウィンドウでは、アーティストが絵を描いていました。別のショーウィンドウでは、職人が何か作業をしていました。エスカレーターを上がったところでは、フロアへ呼び込むための積極的な声掛けが行われていたりと、様々な仕掛けがあります。リニューアルオープン以後、業績も良く、何か真髄をつかんだかのうように快進撃が続いています。グランフロント大阪のオープン後にどのようなシェアの割れ方が起きるのか、その他の百貨店や施設含めて気になる所です。

以上めぐってみて感じたのは、小売激戦区の中で、顧客にとってお店にとって、ステークホルダーにとって良くしていくためには住み分けが必要なのではないかということです。潰しあうのではなく、あそこにいけばあれが楽しいというように、それぞれの特徴を醸成していくことが必要なのではないかということです。

まもなくグランフロント大阪がオープンで、ゴールデンウィークも待ち構えており、ますます盛り上がりを見せる梅田を今後も追いたいと思います。