モノを販売しているのだけれど、もともとは1980年に消費社会へのアンチテーゼとして生まれた無印良品。事業にそのような思想があるので、過度でない、飾らない心地よいライフスタイルの提案に説得力があります。

有限である資源を奪い合う世界において、いずれは必要な資源を減らすのか、または、新たに資源を見つけるのか、もしくは、パラダイムシフトにより資源を必要としない営みを構築するのか、ということが求められます。

そのような背景を察知し、無印良品はシンプルであること、適度であることを心地よいモノとして、スタイリッシュなコトとして、1980年に既に気付き、提案をスタートしたということに凄味を感じます。 

さて、マーケットにしても地球資源にしても、パイの取り合いという営みに置いて、全員が勝利するということは不可能です。なぜならばパイの取り合いは勝ち負けがあるということであり、全ての国、全ての企業が経済成長し続けるということは不可能だからです。自分がパイを獲得し経済成長したということは、それだけ、どこかが負けているということです。

winwinを体現するために必要なのは、1.少ない資源で豊かさを体現するということと、2.無い所へ有る所から補填するということ、3.自然に添った自活(太陽光発電や農業など)であるように思います。そのようにすれば、1.パイを分け合うことができ、2.資源が必要な所へ分配され、3.パイの取り合いを超越し、それ自体として価値を生むことがきます。

上記3つの底辺に流れる思想は、TOYOTA風に言うと「権力より愛だね」。無印良品の場合、特に1において世の中に貢献しているように思います。ゆえに、無印良品のライフスタイルの提案は、これほどまでに顧客に響いているのではないでしょうか。